栄光とか挫折とか

 祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり
 沙羅双樹の花の色 盛者必衰の理をあらはす
 おごれる人も久しからず ただ春の夜の夢のごとし
 たけき者もつひには滅びぬ ひとへに風の前の塵に同じ


平家物語』の冒頭にもあるように、日本人は栄光と挫折の物語が好きです。
しかしその中でもこの「盛者必衰の理」というのはその通り、
「猛る者、栄えている者」はいつか「必ず滅びる」というのを表しており、
実に日本人らしい、出る杭は打つというようなメンタリティを感じます。
要は調子にのってる奴はそのうち必ず痛い目にあうぜ!という事を言いたいのだ。


それは確かにかの大佐が言うところの「若さゆえの過ち」といった面では真実なのだが(最近だとホリエモンが見事にこれ)、この逆のパターン、「どん底の人たち」が「がんばって栄光に向かう」といった物語が日本史上にはあまり見受けられないと思うのは自分の見当違いなんだろうか?
(それにしてもこの和歌の日本語ってのはほんと美しい。。)


この平家物語の冒頭は実は自分ではほとんど覚えていなくて、ただのコピペなんだけれども、今でも子供の時に習ってそらで言える歌?ってのがこっちの方だと今気づいた。


 この世をば わが世とぞ思う 望月の 
 欠けたることも なしと思へば


これは藤原道長という平安時代のチョー偉い奴が歌ったものですが(適当です)、意味は「この世というのは私の世だなあと思うのだ。この満月が欠けたところもないのを思えば」。うん、もの凄くチョーシこいてる。


なんでこんなものを自分がダラダラと覚えているのかと考えてみるのですが、やはり単純に羨ましいんだろうな。人間様々に幸せに向かって何かしら努力をするけども、その中でも本当に絶頂的な幸せを感じられる瞬間がある人ってのは数少ないんじゃないでしょうか。


しかしながら人間だれでも一度はこの道長のような境地を味わいたいと思うのも本能であり、そこに向かって歩むのは無価値ではないと思うわけです。決して平家物語のような一種の「悟りの境地」にからめとられないように。


話は変わるけどここ最近一番有名になった栄光と挫折、というか挫折と栄光の物語はやはりスティーブ・ジョブズでしょう。(順番が逆なのもいかにもアメリカ的だ)
有名すぎるぐらい有名なので今更感満載だけども、やはりこの第2章はグッとくる。

スティーブ・ジョブズ スタンフォード大学での卒業スピーチ
 動画と一緒にお楽しみください


また、自分がよく読むブログにelm200さんの「ノマドで行こう!」があるのだが、エンジニアの方でなんと賢い人なのだと思っていた所、今日プロフィールを見て唖然。。(栄光?と挫折の半生)  なんだこのブレブレぶりは!(笑)


自分も結構転職歴があって、それなりに挫折とかもあったんですが、この人に比べると全く歯が立たない。自分なんて大したことないと素で思えました。というかこれを見て今日のブログを書くに至ったわけですが。。


でも見てるとそれぞれの環境でもがきながら努力してきたのがわかるんですよね。なんだかんだで食えてるわけだし、自立してなきゃこんな生き方できないです。月並みな事なんだけど、やっぱりその時点・その時点で腐らずにはいあがって頑張るしかないんだな〜と思った次第。


最後はマンガから。


・「リアル
 彼女でもないナンパした女とバイクで事故って半身不随にさせてしまったバスケットマン・野宮の物語

自分では決して償う事のできない挫折から、現在プロバスケットチームの入門テストにチャレンジするまで自分を見つめなおしてやりなおしてます。


最近の号での入門テストで現役プロに自分が競り負けた時のセリフ、


 「これは絶望なのか、、?」
 「いや、違う、、これは絶望なんかじゃない」
 「これは、幸せっていうんだ」


泣ける。。